データサイエンティスト育成戦略の公表について

報道関係者各位
プレスリリース
2021年4月13日
一般社団法人 情報処理学会
 
 一般社団法人情報処理学会(会長:江村克己、略称:IPSJ)はコンピュータとコミュニケーションを中心とした情報処理に関する学術、文化ならびに産業の発展に寄与することを目的として設立され、設立当初より情報処理教育分野における人材育成に関する活動を行ってまいりました。

 IoT機器などにより採取される膨大なデータからの価値を創生し経済成長や生産性向上に活かすことが喫緊の課題となっている現在、データサイエンティスト(DS)へのニーズが高まっています。国内外のデータサイエンス分野の教育/資格についての取組み調査や関連機関へのアンケートを行ったところ、高等教育段階のカリキュラムや社会人向け学び直しプログラムは既に存在しますが相互の関係が明確になっているとは言い難い状況です。

 そこで、情報処理教育や実務家向け資格に取り組んできた当会のスキルノウハウを活かし、このたび初等教育から社会人学び直し向けまでを対象としてIPSJのデータサイエンティスト育成戦略をまとめました。本戦略に関連し、2021年4月20日にIT Professionalism Europe(下記)にて発表予定です。

ビジョン
IPSJは、DS人材☆1の系統的な育成および評価の枠組みを構築し、育成または資格を付与したDS人材による価値創造活動に対する支援を通じて、デジタル社会の発展に貢献してまいります。

活動方針
  1. 小学生から専門人材に至る系統的なDS人材の育成および育成/評価の枠組みを構築します。
  2. データサイエンスカリキュラム標準(専門教育レベル)に関する大学間連携や教育コンテンツの共同利用を推進します。
  3. 関連する既存の取り組みの活用と相互連携を推進します。
  4. DS人材による相互研鑽及びデータ利活用の倫理を含めた技術者倫理を規範とする社会貢献を推進します。

当面の活動計画
①DS標準カリキュラム(専門教育レベル)の策定
②企業の社内データサイエンティスト資格(ITSSレベル4相当)を対象とした認定制度の創設・運用
③企業・大学等のデータサイエンティスト育成セミナー(ITSSレベル3〜4相当)を対象とした認定制度の創設・運用
④DS標準カリキュラム(専門教育レベル)に準拠した教育プログラムの認定制度の創設・運用
⑤データサイエンティスト(レベル3〜4)個人を対象とした資格制度の創設・運用



☆1 政府等では「AI人材」(AI戦略2019)、「数理・データサイエンス・AI教育」(文部科学省)等の表現も用いられていますが、当会の「DS人材」はこれらと同等の人材(ないし教育分野)を指します。


本件に関するお問い合わせ
情報処理学会
Tel:03-3518-8374
Fax:03-3518-8375