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情報処理学会 事業部門
Tel.03-3518-8373

情報処理学会ではITプロフェッショナル(実務家)のためのシンポジウムとして、2004年度から毎年度「ソフトウエアジャパン」を開催し、多数の企業・大学等からのご支援を頂いております。
IT関連業界において現場で活躍されている産業界の方々を中心に、学界・官公庁関係の方々、次世代を担う若手の技術者・研究者の方々等、多くの方々がともに問題意識を共有し議論、交流を深められる場として、またIT産業の今後を皆様と考える機会といたしまして、今年度も「ソフトウエアジャパン2011」を開催いたします。

ソフトウエアジャパンアワード

ソフトウエアジャパンでは、日本発の世界に誇るジャパンソフトウェアの研究者、開発者、技術者を表彰しております。

過去の受賞者

メインセッション [会場:5F 大ホール]

メインセションプログラム
オープニング / ITフォーラム紹介
   09:30- 09:35 丸山 宏 (情報処理学会 技術応用運営委員会 委員長)

第1セッション[キーノートセッション]
   09:35-10:30 招待講演-1 「サイバーフィジカルと情報融合炉」
                       喜連川 優  (東京大学 生産技術研究所 教授) 
   10:35-11:15 招待講演-2 「スマータープラネットの目指す世界」
                       岩野  和生 (日本アイ・ビー・エム 未来価値創造事業 執行役員)
   11:20-12:00 招待講演-3 「大量センサデータから、社会の問題を解決するサイエンスが生まれる」
                       矢野  和男 (日立製作所 基礎研究所 主管研究長、人間・情報シスラボ長)
   12:05-12:45 招待講演-4 「低炭素都市のシミュレーション」
                       山形 与志樹 (国立環境研究所 地球環境研究センター 主席研究員)

第2セッション[パネルセッション]
   13:45-15:30 パネル討論「サイバー・フィジカル・システムの未来」

第3セッション[ザ・ジャパンソフトウエアセッション]
   15:45-15:50 ソフトウエアジャパンアワード 表彰式
   15:50-16:45 受賞講演-1 「クラウドが拓くカーナビゲーションの未来
                                           -次世代カーナビ「CAR NAVITIME」-」
                       大西  啓介 (ナビタイムジャパン 代表取締役社長)
   16:50-17:45 受賞講演-2 「次世代の天気予報」
                       石橋  知博 (ウェザーニューズ 取締役)
 
総合司会:近山 隆 (東京大学 大学院工学系研究科電気系工学専攻 教授 / 情報処理学会ソフトウエアジャパン2011実行委員会委員長)) 
【略歴】1977年東京大学工学部計数工学科卒。1982年同工学系研究科情報工学専門課程博士課程修了、工学博士。同年(株)富士通に入社し、(財)新世代コンピュータ技術開発機構に出向、第五世代コンピュータプロジェクトの研究開発に従事。1995年東京大学工学系研究科助教授、1996年同教授。以降学内の異動を経て2008年より現職。プログラミング言語、並列分散処理、機械学習などに興味をもつ。
 
9:30-9:35 オープニング /ITフォーラム紹介 
丸山 宏 (情報処理学会 技術応用運営委員会 委員長) 
【略歴】1983年東京工業大学大学院理工学研究科修士課程修了。同年日本アイ・ビー・エム株式会社入社。人工知能,自然言語処理,機械翻訳などの研究に従事。1995年京都大学より博士(工学)授与。1996年米IBMソフトウェア事業部において,インターネット技術の評価。以降,XMLやWebサービスの研究開発・標準化に従事。1997年-2000年東京工業大学情報理工学研究科客員助教授,2003年アイ・ビー・エム・ビジネスコンサルティング・サービスへ出向。2006年-2009年日本アイ・ビー・エム株式会社東京基礎研究所所長。
 
9:35-12:45 第1セッション [キーノートセッション]
 
9:35-10:30 招待講演-1
「サイバーフィジカルと情報融合炉」
喜連川 優 (東京大学 生産技術研究所 教授)

【講演概要】サイバーフィジカルシステム、情報爆発、情報大航海、IOT、smarter Planet等表現は色々とあり、詳細レベルでは相違はあるものの、大局的にはおおむね方向感は一致していると講演者は感じている。即ち「情報爆発からの価値創出」である。文科省情報爆発特定領域研究プロジェクト、経済省情報大航海プロジェクトでの成果を含め、現時点における「by IT」の最有力領域であるサイバーフィジカルの方向感について述べる。

【略歴】東京大学工学系研究科情報工学専攻博士課程修了(1983年)、工博。東京大学地球観測データ統融合連携研究機構長、東京大学生産技術研究所教授、戦略情報融合国際研究センター長。文部科学省「情報爆発」特定研究領域代表(05-10)、経済産業省「情報大航海プロジェクト」戦略会議委員長(07-09)、データベース工学の研究に従事。情報処理学会副会長(07-09) ACM SIGMOD E.F.Codd Award(09)。
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10:35-11:15 招待講演-2
「スマータープラネットの目指す世界」
岩野 和生 (日本アイ・ビー・エム株式会社 未来価値創造事業 執行役員)

【講演概要】IBMが2008年から提唱しているスマ—タープラネットは、情報技術を用いて、より良い社会・世界に貢献しようというものである。情報技術の指数関数的な進歩によって、あらゆるものがつながり、情報のやり取りをし、複雑な系を作りだしている。そのため環境、資源、都市などのさまざまな問題が、全体系の把握なしでは解決できなくなってきている。このとき、ITの世界で培ってきたさまざまな概念や技術が応用できるようになってきた。例えば、サービスレベル管理、社会サービスインフラを支える情報インフラ、さまざまなデータの管理、分析、クラウドコンピューティングなどに代表されるサービスデリバリー技術などである。あらゆるもの(森羅万象)の発するデータを集め、価値観に基づきそれらの関係を可視化し、分析し、系に影響を与える。つまり、”社会生態系”や”ビジネス生態系”を価値観に基づいて制御していくのである。本講演ではこのようなスマータープラネットの考えや事例やアーキテクチャーなどを紹介する。

【略歴】日本アイ・ビー・エム株式会社 執行役員 未来価値創造事業 担当。1975年 東京大学理学部数学科卒業後、日本アイ・ビー・エム(株)入社。1987年 米国Princeton大学Computer Science学科よりPh. D 取得。1995年から2000年まで東京基礎研究所 所長、その後、米国ワトソン研究所を経て、2002年より先進事業(Emerging Business)、2004年より大和ソフトウエア開発研究所 所長を担当し、2009年より現職。東京工業大学、筑波大学客員教授。情報処理学会フェロー、日本学術会議連携会員。IEEE, ACM, SIAM会員。
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11:20-12:00 招待講演-3
「大量センサデータから、社会の問題を解決するサイエンスが生まれる」
矢野 和男 (株式会社日立製作所 基礎研究所 主管研究長、人間・情報システムラボ長)

【講演概要】20世紀に人類は、相対論により時空を理解し、量子論によりミクロの法則を理解し、宇宙論により万物の起源を理解し、生命科学により命の起源を理解した。これらはそれぞれ、原子力、エレクトロニクス/IT、宇宙工学、医療という技術革新を生み、世界を変えてきた。21世紀は、この流れの先に、「人間と社会」の科学が創生され、これから「社会の問題を解決する技術」が生まれる。「サイバー・フィジカル・システム」は、この新しい科学を可能にする技術と捉えるべきである。ITはこれまで利便性や効率化の道具だった。今後は、科学と手を組んで価値をもつ時代になる。社会という、自由意志や文化を伴う対象に、科学は成立するのか、と疑問がわく。実は、最新技術「ビジネス顕微鏡」による20万日超の大量の人間社会のデータは、この疑問に答え、社会の定量科学を急速に発展させ、企業や個人の変革を強力に推進してきた。これを実例から説き起こし、今後のビジョンを有識者が提唱した「直島宣言」を紹介する。

【略歴】1984年早大学物理修士卒。日立製作所入社。91年アリゾナ州立大にて共研に従事。93年早大より工博授与。入社以来、半導体新デバイス/回路の研究、特に世界初の単一電子メモリの室温動作、エネルギー最小の論理回路(CPL)の提案、論理構造最小化CADの開発と事業化、SHモバイルプロセッサなどのシステムLSIの研究部長、センサネット戦略プロジェクトのリーダを歴任。現在、人間・社会の行動を計測、これを科学的解析し、変革する「ビジネス顕微鏡」を開発し、新事業を起業した。また20万人日超の人間データを活用する「ワールドシグナルセンタ」を立ち上げ、初代センタ長に就任。基礎研究所主管研究長、人間情報システムラボ長。IEEE Fellow、電子情報通信学会、応用物理学会会員。IEDM、DAC、ASSCC、ASP-DAC、IPSN/SPOTS、EmNetの学会委員を歴任。2009VLSI回路Symposium大会委員長など学会役員を歴任。1994 IEEE Paul Rappaport Award、1996 IEEE Lewis Winner Award、1998 IEEE Jack Raper Award、Most Promising Scientists Award of 2007 Ettore Majorana International School on Mind, Brain, and Educationを受賞。
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12:05-12:45 招待講演-4
「低炭素都市のシミュレーション」
山形 与志樹 (独立行政法人国立環境研究所 地球環境研究センター 主席研究員)

【講演概要】IPCCの新しいシナリオでは、脱温暖化社会を目指して、大気中の温室効果ガスを安定化する都市システムに関する検討が始まりつつある。世界の人口の大部分が都市に集中することが予想される2050年にむけて、途上国を含めて、都市を持続可能なかたちで低炭素化することが極めて重要な課題となっている。そこで、本講演では、IPCCでのあらたな温暖化シナリオ・シミュレーション分析の概要を紹介するとともに、近年、世界各地で急速に波及しつつあるスマートシティー(モデル)都市での実証研究・開発の例を関係の取り組みをレビューしつつ、我々が現在研究に取り組んでいるグローバルな土地利用(都市化)シナリオや東京都市圏でのシミュレーション研究の成果を紹介し、都市における土地利用ー交通ースマートグリッドを合わせたシステムをシミュレーションする新たな技術開発の方向性について議論する。

【略歴】1985年東京大学教養学部広域科学科卒業。学術博士。国立環境研究所において、主任研究員、総合研究官等を経て、2006年より、地球環境研究センター主席研究員として、地球温暖化リスク評価研究プロジェクトに取り組む。専門は、応用システム分析。この間、IPCC特別報告書(土地利用)主任執筆者、日本学術会議連携会員、JST脱温暖化領域アドバイサー、Climate Policy, Applied Energy誌編集委員、東京大学・北海道大学等にて講義を担当。
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13:45-15:30 第2セッション [パネルセッション]
13:45-15:30 パネル討論
「サイバー・フィジカル・システムの未来」
司   会:丸山 宏 (情報処理学会 技術応用運営委員会 委員長)
パネリスト:
  喜連川 優 (東京大学 生産技術研究所 教授)
  岩野 和生 (日本アイ・ビー・エム株式会社 未来価値創造事業 執行役員)
  矢野 和男 (株式会社日立製作所 基礎研究所 主管研究長、人間・情報シスラボ長)
  山形 与志樹 (独立行政法人国立環境研究所 地球環境研究センター 主席研究員)

【討論概要】実世界とITを緊密に統合するCyber-Physical Systems(CPS)は、スマートグリッドやスマートシティなどの試みを通して、社会システムを変革していく切り札として期待されている。
このパネルディスカッションでは、産官学でCPSに関わっている第一線の方々に、CPSによる社会システム変革を実現するのに、IT産業が担うべき役割は何か、その課題は何か、について議論していただく。

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15:45-17:45 第3セッション [ザ・ジャパンソフトウエアセッション]
15:45-15:50 ソフトウエアジャパンアワード 表彰式
15:50-16:45 受賞講演-1
「クラウドが拓くカーナビゲーションの未来 -次世代カーナビ『CAR NAVITIME』-」
大西 啓介 (株式会社ナビタイムジャパン 代表取締役社長)

【講演概要】近年ナビゲーションサービス市場は、データ通信の高速化や、先日打ち上げられた準天頂衛星「みちびき」などの影響で、人々の関心は急速に広まっています。ナビタイムジャパンは2000年3月設立以来「ナビゲーションエンジンで世界のデファクトスタンダードを目指す」という志の元、ユーザーの様々なニーズに対応しながら成長してまいりました。さまざまな交通手段を組み合わせ出発地から目的地までドアtoドアで最適なルートを検索する「NAVITIME」。そして今年8月には次世代カーナビ「CAR NAVITIME」を発売しました。「CAR NAVITIME」は、これまでナビタイムジャパンが培った技術を集結した、通信機能付きカーナビゲーションです。通信モジュールを内蔵しているので、常にリアルタイムの情報を取得することができます。本講演では、ナビタイムジャパンのこれまでや、今後の展望についてお話させていただきます。

【略歴】上智大学理工学部卒。1993年に大学院を卒業後、祖父が創業した大西熱学に入社。環境試験装置のソフトウエア開発に携わる。1996年、大学の後輩だった菊池とともに、社内ベンチャーとして経路検索エンジンビジネスを立ち上げる。2000年3月に大西熱学から独立し、ナビタイムジャパンを設立。代表取締役社長 兼CEOに就任。
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16:50-17:45 受賞講演-2
「次世代の天気予報」
石橋 知博 (株式会社ウェザーニューズ 取締役)

【講演概要】近年、気象への関心は大いに高まっています。2010年は記録的な猛暑、竜巻、豪雨などとともに、突発的かつ局地的に雷雨をもたらす「ゲリラ雷雨」が各地で発生しました。それは従来の観測網では予測不可能といわれていた現象です。
そんなゲリラ雷雨の被害を軽減するため、ウェザーニューズは全国22万人を超えるサポーター(有料会員)に「ゲリラ雷雨防衛隊」に参加していただき、各人の「五感」でとらえた気象情報を、携帯電話で報告してもらいました。その情報と、当社が全国40箇所に独自に設置した最新小型観測レーダーによる監視体制をとった結果、たとえば東京都ではゲリラ雷雨発生を事前に知る「捕捉率」が、昨年に引き続き9割を超えました。
最新テクノロジーと人の五感が融合したシステムが、不可能といわれたゲリラ雷雨をとらえることに成功したのです。従来のパラダイムでつかめない気象を人センサーでどうとらえたか、新しい天気予報のデザインをご紹介します。

【略歴】1998年3月 中央大学理工学部情報工学科卒。1998年4月 日本ヒューレット・パッカード株式会社入社。2000年10月 株式会社ウェザーニューズ入社 営業本部。2003年8月  株式会社ウェザーニューズ モバイルサービスグループリーダー。2006年12月 株式会社ウィズステーション取締役。2007年11月 株式会社ウィズステーション代表取締役(現)。2008年8月  株式会社ウェザーニューズ取締役(BtoS事業統括主責任者)(現)。
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